『マン・オブ・ゴッド: 迷える魂』の簡単な概要
本作はナイジェリア発のNetflix独占公開映画となります。
主演のAkah Nnaniさんを始めとして、キャストは皆さんナイジェリアを始めとしたアフリカ諸国の方々なので、全く馴染みのない顔ぶれとなっています。
最近増えてきている所謂”ノリウッド”と呼ばれるジャンルの一つとなっていますね。
本作の原題は『The Man of God』。ですのでサブタイトルを付けただけで特に代わりはないです。
IMDbでの評価は3.7とかなり低め。後述しますが、ちょっと倫理的にどうなの?という話が多いので、その辺も英語圏で受け入れられなかった理由なのかもしれません。本国ナイジェリアでの評価が気になるところ。
放映時間は1時間51分。ほとんど2時間近いものとなっています。
言語は英語で、吹き替えはなく字幕のみの作品です。
本作の特徴としては、タイトルから感じ取る事の出来るような宗教的なストーリーではないが、話を通してみるとしっかりと宗教的な物となっている事、でしょうか。
それとやはりナイジェリアという舞台。手軽にアフリカ映画が見れるのもNetflixの利点の一つと言えるでしょうか。
『マン・オブ・ゴッド: 迷える魂』のあらすじ
預言者として知られている父の元で育ったサミュエルだったが、父に反感を抱きながら育った。
信仰に関することで繰り返し折檻を受けたことをきっかけに、家を出る事にしたサミュエル。
大学生となった彼は、アフロ・ジャズグループを率い、酒を飲み、タバコを吸う青年となり、グループのダンサーであるレクヤと肉体関係を伴った付き合いをしていた。
そんなサミュエルだが、古くからの知り合いであり、クラスメイトであるテジュがクリスチャンとしての集会に参加させようとした時にジョイという名の信心深い女性と出会い、サミュエルは彼女と恋に落ちる。
信心深いジョイは、牧師からサミュエルが悪魔の音楽を演奏する不信心者であると言われながらも、サミュエルとの関係を深めていく。
その間にレクヤは違法な薬物の売買に手を染め、ちょっとした財産を作り、サミュエルを誘惑し、共に暮らすように誘うが、断られる。
ジョイを選んだサミュエルだったが、ジョイは数カ月間の旅行の間に別の牧師候補生と結婚してしまう。
深い絶望に陥るサミュエル。そんな彼を支えたのがテジュだった。そしてテジュと失意のサミュエルは結婚する事に。
数年の時が流れ、サミュエルはテジュの紹介である女性預言者の舞台演出をするように。しかし方針で彼女と対立するサミュエル。
さらに元々ジョイの事が忘れられないサミュエルは、テジュとの関係に悩む。
八方塞がりになりかけたサミュエルだったが、レクヤの提案でニセ預言者となる。莫大な富と名声を手に入れたサミュエルはジョイと再会。彼女に近づこうとするも拒絶されてしまい再びどん底へ。
そんな中、サミュエルに女性トラブルの影が見え、レクヤの逮捕などが重なる。最終的にテジュの元を去るサミュエルだったが、彼女は女性トラブルを知っており、それをもみ消していた事を告白。
サミュエルは最後にテジュの通報により逮捕され、全てを失った。だが故郷の父の元へと戻ると父と信徒たちに祝福の中迎え入れられる、エンドロール。
『マン・オブ・ゴッド: 迷える魂』の感想
ラストシーンの真意
全てを失ったサミュエルが故郷に戻り、父とその信徒たちに暖かく迎えられる場面で幕が下りています。
ここでわかるように、本作は所謂”放蕩息子の帰還”的な物となっているのでしょう。
預言者を騙り、
心より悔い改めれば神は暖かく迎え入れてくれる、というメッセージ性が伺えます。
ただ、そこに至るまでは…
あらすじでわかるように、とにかくやりたい放題しているサミュエル。
レクヤと爛れた生活を送った後にジョイに振られ、流されるままにテジュと結婚。ここまでは良いのですが、その後も不倫をしていたり、ジョイと再会後に言い寄ってみたり。
誠実さとは全くほど遠い彼の姿に、共感のしようがありません。
独特な宗教理解?
それと、個人的に違和感があったのが、出てくる宗教家達の金銭欲や名誉欲の隠さなさ。
都会から離れたサミュエルの父と、その教会が非常に質素である事を考えれば対比として描かれているのはわかりますが…
現地の人には理解できるんだろうか?
そもそも、冒頭の不信心であるからサミュエルが父に折檻される、という概念がちょっとよくわからないですし、そこへのフォローも無くラストで和解してる感じなのも謎。
それにやりたい放題やっていたサミュエルの改心もものすごくサラッと流されるというか、逮捕→故郷への帰還まですぐ移り変わるので見ていて頭に?がたくさん浮かびました。
『マン・オブ・ゴッド: 迷える魂』の他の方の感想
Netflixオリジナル映画『マン・オブ・ゴッド:迷える魂』観ました✨
己の運命に逆らい生きていくカッコいい男…風な感じで描かれてるけど、よくよく考えてみるとただのサイテーな男の話しだよね😅
まぁでも過ちは誰だって犯すから、そこを言いたかったのかな😌#Netflix #ネトフリ pic.twitter.com/9nBk0l039Y— 🎞ととフリックス🎞M (@toto_movie) April 18, 2022
『マン・オブ・ゴッド: 迷える魂』:ライバルの教会演説を胡散臭いと語るルーツに親父の演説の矛盾が紐づいていたり、大学のユニークな建築構造を的確に捉えていたり、サムのパフォーマンスがカッコよかったり、中々氷解しない憎悪が生々しかったり興味深い演出多いです。 pic.twitter.com/RKCjMf9nhu
— che bunbun | 映画の伝道師 (@routemopsy) April 24, 2022
『マン・オブ・ゴッド: 迷える魂』:Netfixのナイジェリア映画。これはかなり面白いし、入門にオススメ。牧師である父親の体罰に憎悪増幅させ、家を飛び出したサムエル。ライブでバイブス上げていた彼はひょこんなことから教会の手伝いをすることになる。 pic.twitter.com/RKYPGNhbFm
— che bunbun | 映画の伝道師 (@routemopsy) April 24, 2022
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