『サンフアン-アルゼンチン潜水艦失踪事件』あらすじ&ネタバレ 感想【Netflix オリジナルドキュメンタリーシリーズ】

『サンフアン: アルゼンチン潜水艦失踪事件』の簡単な概要

 本作は、アルゼンチンで2017年に発生したアルゼンチン海軍の潜水艦が沈没し、44人の命が失われた事件に関するNetflixオリジナルのドキュメンタリーシリーズとなっています。

 手掛けているのはMauricio Albornoz Iniestaさんで、ワインなどのドキュメンタリーを中心に制作されている方のようです。 https://youtube.com/embed/lKSLHbwdjv4?si=ymzFqWLiMUANHvS3

 本作は事故の原因と思われるバッテリートラブルや、事件に対する海軍の反応、そして残された遺族たち、そしてアルゼンチンの政治問題などを時系列順で包括的に描いています。

 本件がアルゼンチン海軍に残した影響は大きいようで、予算の問題と事故が重なり、サン・フアンの同型艦サンタ・クルズの改修工事も延期が続いた後に中止となり、稼働できない状態に。さらにもう一隻の潜水艦はかなりの旧型ということもあり、2024年現在にアルゼンチン海軍で稼働している潜水艦がゼロになっているようです。

 そもそも本来6隻建造される予定だった潜水艦が、結局完成したのは2隻だけで残りは経済危機の影響を受けて建造中止か中断となり、竣工中だった艦の部品はサン・フアンやサンタ・クルズのスペアパーツとして利用された…という事情もあるようで、だいぶ懐が苦しい状態で回していた結果、避けられなかった事故とも言えるのかもしれません。

 話を『サンフアン-アルゼンチン潜水艦失踪事件』に戻すと、本作は1話30分程度で全8話構成となっています。IMDbでの評価は6.3と平凡なものとなっています。

 後述しますが、このちょっと厳し目の評価も納得できる出来です。

 また、日本語吹き替えは無く字幕のみの作品です。

『サンフアン-アルゼンチン潜水艦失踪事件』を観る

『サンフアン: アルゼンチン潜水艦失踪事件』の感想

結局、問題はどこにあったのか

 野心的かつ刺激的なエピソードのあらすじとは裏腹に、本作で提起される疑惑や問題は不完全燃焼で終わってしまいます。

 最後のエピソードまで語られる「海軍は実は最初から沈没している場所を知っていたのでは?」という疑惑も、海底画像の改ざん疑惑などまで触れる程度で、なぜそんな事をする必要があったのか、とまでは行かず。

 潜水艦探索に乗じて海外の海底探査会社と政治家が組んで海底の天然資源を調査…という疑惑もだいぶ?が残るもの。

 この手の政治的な問題なのかな…?と思いきや、実はそうでもないような…という問題があまりにも多すぎるシリーズです。

とは言え、政府にも怪しい面が

 批判はしましたが、アルゼンチン政府にも怪しい動きがあったのは確かです。

 どうやらアルゼンチン政府の諜報機関が遺族団体の行動を逐一監視していたり、スパイを送り込んでいたり、遺族のスマートフォンやパソコンに入り込んでデータを消すなどの行動を取っていたのは間違いない様子。

 結局それが明らかになっても関係者はほとんど裁かれることはなかった、行政と司法の不自然な動きがあちこちで見られたというのは不気味な話です。

不完全燃焼な内容

 結局のところ、遺族にも救いが無く、怪しげな人たちは裁かれることもなく、そして明らかになっていることはあまりない…という内容で終わる本作。

 悲劇的で衝撃的、かつアルゼンチン国内全体に影響を与えたにしてはちょっとというかだいぶすっきりとしない内容です。

 重めの題材を描いたドキュメンタリー作品にはありがちですが、だいぶスッキリしない終わり方でした。

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