『対岸へ: ダイアナ・ナイアド物語』あらすじ&ネタバレ 感想【Netflixドキュメンタリー】

『対岸へ: ダイアナ・ナイアド物語』の簡単な概要

 本作は、アメリカの作家・水泳選手であるダイアナ・ナイアドさんが2011年から2013年にかけて挑戦したフロリダ海峡横断への挑戦を追ったドキュメンタリー作品となっています。

 ダイアナさんのこの挑戦は数回行われているのですが、当初は28歳、最後は64歳の時の挑戦というのですから全米で注目された挑戦となっています。180キロ以上の距離を数日に渡って泳ぎ続けるというのですから、それも納得です。

 天候の不備や肉体的限界やクラゲに刺されるなどのトラブルで数度断念するも、その度に再度挑戦を行い続けていたダイアナさん。本作は彼女がなぜ長距離水泳にこだわるのかを幼少期の出来事から追った内容となっています。

 本作は海外だとAmazonやApple TVなどで配信されていますが、日本だとNetflixのみでの配信となっています。

 

『対岸へ: ダイアナ・ナイアド物語』のキャスト・スタッフ

 監督はティモシー・ウィーラーさんで、希少な鳥類の卵泥棒を追った『POACHED』や暗黒物質を追っている人々の姿を描いた『Chasing Einstein』と言った作品や、本作でも描かれているダイアナ・ナイアドのドキュメンタリー映画『Nyad』を手掛けています。

 主演は勿論ダイアナ・ナイアドさん御本人。長距離水泳選手やジャーナリスト、作家などの顔も持たれている多才な方で、現在75歳となっています。フロリダ海峡横断以前にもナポリ湾の横断やマンハッタン島の周回なども行っている有名な水泳選手です。

『対岸へ: ダイアナ・ナイアド物語』の感想

・偉大な挑戦をじっくりと描いている

 高齢のダイアナさんが180キロにも及ぶ長距離水泳に挑戦する姿を描いた『対岸へ: ダイアナ・ナイアド物語』。その凄さが余すことなく描かれている本作。

 雄大な海を泳ぎ続けるダイアナさんの姿がとにかくすごいです。コーチや義父から性的虐待を受けていた過去を振り払うかのようにスポーツに生きる彼女の姿は力強いという言葉では足りないほど。また、オープンウォータースイミングという競技自体も興味深いものです。

 タイトル通り対岸までの数十キロを単身で泳ぐこの競技。調べてみるといろいろと挑戦してる人がいるんですね。すごい世界だ…

・記録には疑問点も…

 しかし、本作で描かれているダイアナさんのフロリダ海峡横断の記録には色々と疑問点が存在しており、公式に認定された記録とはなっていません。

 WOWSA(World Open Water Swimming Association)と呼ばれるオープンウォータースイミングのスポーツ協会は、ダイアナの記録に様々な疑問を投げかけ、横断の認定を取り消しています。参照ページ

 WOWSAが疑問に抱いた最大のポイントは、水泳ログが存在していない時間帯があることと、その時間帯に異様な速度で移動していた、という点です。この点から協会は認定を取り消し、ダイアナの横断は記録に残らないこととなってしまいました。

・記録には残らなくても、記憶には残る

 公式記録としては残らないこととなってしまったダイアナさんのフロリダ海峡横断ですが、たとえ記録には残らずとも、60代半ばの方が100キロ以上を泳ぐという事をなし得たというのは多くの人々を勇気付けるはずです。

 高齢の方だけでなく、なにかに挑戦しようとしている人におすすめなドキュメンタリーだと感じました。

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