『バンクアンダーシージ』の簡単な概要
本作『バンクアンダーシージ』は1981年に起きた実在の銀行強盗事件をモチーフにしたサスペンスドラマです。監督は『ライジング・スカイハイ』などのダニエル・カルパルソロ、製作国はスペインとなっています。
1981年のスペインで実際に起きたバルセロナ中央銀行強盗事件を下敷きにしたサスペンス作品となっている本作。全5話かつ1話が40分程度のミニシリーズ作品となっていますが、銀行強盗と並行して行われる、犯人たちの謎の行動や事件を追う記者の奮闘だけでなく、当時のスペインの社会情勢なども絡んだ味わい深い作品に仕上がっています。
IMDbでの評価は6.6と平均程度のスコアとなっています。
『バンクアンダーシージ』つまらない? おもしろい?
ただの銀行強盗だけでなく、謎の陰謀が絡み合い、息を付く暇もなく進んでいくことになる本作「バンクアンダーシージ」。1980年代のスペインの社会情勢など、日本人には少し分かりづらい要素もありますが、強盗たちの隠された目的や、それを追う記者や警官たちの奮闘、そして政治家たちの暗躍はなかなか面白いものとなっています。
歴史に興味があったり、銀行強盗ものが好きな人には楽しめる作品ですね!
『バンクアンダーシージ』のキャスト
主役の銀行強盗犯、ホセ・フアンを演じるのはミゲル・エラン。「ペーパー・ハウス」がやはり有名な俳優さんでしょう。もう一人の主役である女性記者マイデルを演じているのはマリア・ペドラサ。同じく「ペーパー・ハウス」や「トイ・ボーイ」に出演されています。
その他助演としてホヴィク・ケウチケリアン、イサック・フェリス、パトリシア・ビコなどが参加しています。
『バンクアンダーシージ』のあらすじ
1981年の5月23日、バルセロナの中央銀行で立てこもり事件が発生した。新人記者であるマイデルは、カメラマンのベルニと共に犯行声明文の居所を知ってしまったことから事件に巻き込まれることに。
一方銀行強盗犯は、以前に失敗に終わったクーデター関係者の釈放を要求するなど政治的な動きを見せていたが、強盗犯たちの中でもあらかじめ用意していた脱出ルートが使えないなど混乱に陥っていた。だが、主犯格である”1番”は人質解放の際に外部に謎の書類を持ち出させるなど、奇妙な動きを見せ……
政府も強盗に対する対応を決めかね、あくまで人命にこだわる首相と突入を要求する将軍とで意見が割れていた。
マイデルは事件を調べる中、警部のパコと知り合うことに。将軍たちの会談を盗み聞きすることに成功した彼女は政府の対応が割れている事を知る。
パコは強盗犯たちの正体を探るべく、捜査を行ったところ、過去に起きていた他所での銀行強盗との共通点を見出すどころか、その背後には政府機関の影が見え隠れすることを知ってしまう。
そして、強盗たちの主犯格である”1番”ことホセ・フアンの過去が明らかに。幼少期から強盗を繰り返していた彼は、逮捕されたあとに強盗の経験から独裁者フランコ将軍の腹心であるブランコ提督の率いる秘密作戦部に所属することに。そこで非合法な任務をこなしていたホセ・フアンであったが、ブランコ提督の暗殺で職を失い、その後フランスに逃れた出会ったアナーキストの女性や仲間たちと共に銀行強盗犯として名を上げていた。
強盗たちの目的がわからず、政府が対応を決めかねているところに情報機関の新局長であるマングラーノが現れ、会議に参加する。その中で首相はついに突入を決断。特殊部隊の突入が開始される。混乱の中、人質たちに紛れて逃げ出そうとする犯人たち、そしてホセ・フアンだったが、ホセ・フアンの顔を知っているパコによって逮捕に成功。
ホセ・フアンを尋問するパコ。ホセ・フアンは銀行強盗の目的が、銀行内に保管されている書類を持ち出すためである事を口にするも、警察上層部からの圧力で事件の真相は分からずじまい。政府の公式発表も不明瞭なものであった。
得ていた情報と発表が違うことに疑問を抱き、真相を知るべく行動するマイデルとパコ。二人は独自に行動を開始するが、マングラーノがマイデルの家に訪れ、マイデルに今は口を噤むように脅迫を行う。
事件の真相が、1981年2月23日のクーデター未遂事件に関わる書類を手に入れるためで、その功績でマングラーノは新局長となった事を突き止めた二人だったが、車を爆破するなどの脅迫を受け、真相について口を閉ざすこととなり、終幕。
『バンクアンダーシージ』の感想(ネタバレあり)
実話を元にした銀行強盗作品
本作のバルセロナの中央銀行での立てこもり事件ですが、実在の事件で経過もほぼ作中と似たようなものとなっている事がわかります。
当時のスペインの社会情勢などをかけ合わせて事件に新たな解釈をもたらした本作。ただ、作中で出てくる様々なワードに解説などはなく、わかっている人向けの作品になっている印象は否めません。
やや苦い結末となってしまい…
煮えきらない結末となってしまうのも、実在の事件をベースにしているからでしょうか。結局真相は明らかになることなく葬り去られ、マイデルたちの奔走も無駄になってしまうという結末はちょっとビターすぎるな…というのが正直なところ。
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