作品情報
簡単な背景解説
原題は『Barbarians』です。邦訳版とほとんど変わりませんね。サブタイトル以外は。
本作のジャンルとしては歴史ドラマで、かの有名なトイトブルク森の戦いを題材とした作品となります。
視聴リンクはこちらからどうぞ。
制作はゴーモンテレビジョンとNetflixの共同制作です。
ただ、ライターを始めとする制作陣はドイツで活躍し、多くのテレビドラマを手掛けるスタッフが関わっていますので、ドイツ作品みたいな物ですね。
Netflixが進めている世界戦略の一環なのでしょう。
米国では一時的に人気ランキング2位にまで上り詰めた程の話題作です。それ以外にも46カ国で1位を獲得したとか。
1シーズン6話構成で、1話ごと50分前後です。
日本語吹き替えはなく、字幕だけになっています。
制作スタッフ
主人公であるアルミニウス役はローレンス・ラップ、数多くのドイツドラマに出演している実力派です。
その幼馴染であり、後に妻となるトゥスネルダ役を務めるジャンヌ・グルソーもドイツドラマを中心に出演しています。
ドイツ作品、割と本邦では公開されていないようで、上記の二人が出演している作品はあまり見つけることが出来ませんでした。
これから多く公開されていくといいですね。
今後の展開
既にシーズン2の制作が決定しています。
À L’ATTAAAAAAAQUUUUUUUUE ! pic.twitter.com/snWRONn7K9
— Netflix France (@NetflixFR) November 10, 2020
しかし、他のドラマと同じように、コロナの影響もあって今年中にはお目にはかかれないでしょうね…
あらすじ
舞台は紀元9年、大ゲルマニア。そこに住む多くのゲルマン民族の内の一つ、ケルスキ族。
ローマの勢力圏内に入りつつあったゲルマン人は、厳しい税の取り立てや人質など、ローマから苛烈な取り扱いを受けていたが圧倒的な戦力の差から、なすがままにされる状況になっており、ケルスキ族もその一つであった。
そんなケルスキ族の族長付きの戦士であるフォルクウィンとケルスキ族のナンバー2で親ローマ派であるセゲステスの娘、トゥスネルダ。
恋人同士である二人と仲間たちはセゲステスの息子がローマ兵に殴打された事をきっかけとし、ローマ軍の象徴たる鷲の紋章を盗み出す事に成功する。
一方、その紋章の奪還を目論見、ローマ軍団の総督ヴァルスはケルスキ族の村に養子であるアルミニウスを派遣する事に。
彼はフォルクウィンとトゥスネルダの幼馴染であり、ケルスキ族の族長セギマーの息子、そして人質としてローマ帝国に送られローマ化した彼の帰還は、少なからぬ者に動揺をもたらす事に。
それでも、かつての幼馴染であるフォルクウィンとトゥスネルダとの関係に悩みつつ、フォルクウィンを撃退し鷲を取り戻す事に成功する。
しかし、次に彼が命じられたのはそのフォルクウィンを殺すこと。
その命令に従う素振りを見せた彼であったが、彼を目の前にして翻意。仲間のローマ兵を殺害し、フォルクウィンを助け出す。
別人の首をフォルクウィンの物としてヴァルスに捧げ、一件落着となるかに思えた。しかし、アルミニウスにヴァルスが下した次なる命令はケルスキ族の族長となり、その上でローマに仕えよとの事。
ローマ人となったと考えていた彼にとって、あくまでゲルマン人であるという事を養父であるヴァルスから宣告された事に思い悩み、苦しんだアルミニウス。
彼は政略結婚(後にフォルクウィンが生死不明となり、恋仲に)したトゥスネルダと共に他の部族長達を煽り立て、反ローマで一つにする事に成功。
そして、彼はヴァルスを言葉巧みに惑わし、ローマの三個軍団をトイトブルクの森へと誘い込む…
登場人物
感想
世界46カ国で人気ランキング1位の実力は本物
いやー、面白かったです。
骨太の歴史ドラマというだけで興味深いのですが、ビジュアル面・ストーリー面でもいいものを見せてもらいました。
鬱蒼とした森に潜むゲルマン部族の人々というイメージ通りの人々がもう沢山出てくるんです。お腹いっぱいな位ですね。
単純に色んなもののスケールがすごい
特に最終話のトイトブルクでの合戦シーンは脱帽。
数百人規模のキャストを起用していると思わしき最終決戦の壮絶さ、壮大さは映画並。圧巻です。こんな事が出来るのもNetflixの資本があってこそなんでしょうねえ、さすがです。
一つ不満を挙げるとすれば、全盛期であったローマ兵の精強さがあまり見ることが出来ず、完全にやられ役と化していた所くらいでしょうか。一矢くらいは報ってほしかったですね…
野蛮で素敵すぎるゲルマン人達
ビジュアル面もワイルドなゲルマン諸部族の人々と、気品あるローマの人々とでしっかりと色分けがされており、キャラクター性の一端を担っています。
しかし、何よりおおっと思ったのは、ゲルマン人は英語、ローマ人はラテン語を話す事!当然普通のローマ人とゲルマン人は意思疎通は行えず、通訳を介すのが必要になるんですね。しっかり喋りまくってるラテン語が聞けるとは…
ただ、歴史的解釈には批判も多く(例としてはアルミニウスがヴァルスの養子となったという点。ヴァルスはドイツ方面に赴任する前にはシリア方面に在留しており、それは明らかに不可能)、あくまで下敷きにした作品であるというのは付け加えておかなければいけませんね。
手放しでは褒められない話の本筋
面白かった作品ですが、問題も。
最終的にはアルミニウスが主役、トゥスネルダが準主役のような物になるのですが、問題は物語の前半部で主にスポットライトが当たるのが、トゥスネルダのお相手であるフォルクウィンだという事。
家族が殺され、ローマに恨みを抱く彼はトイトブルク森の戦いの最後まで脇役に重んじる事に。途中捕らえられてしまって以降は完全に脇役です。
もったいない扱いだなあ…と思いました。
短すぎる
本作は6話で終わるミニシリーズとなっています。その為、キャラクターの掘り下げ(特にメインキャラ以外の)がおそろかになっていたり、敵側であるローマ兵達はあまり描かれない事もあって、強い印象を抱くことが出来ずに終わってしまいました。
ダレずに見え終える事が出来るという利点はあるのですが、やはりこれくらいの規模のドラマだと一話でも長い方がいいですね…
コメント